【地方創生支援ツール】イベント計画の策定に必須!観光予報プラットフォームの使い方【観光振興従事者向け】




2020年には東京オリンピックを控え、年々加熱を続ける日本の観光産業。

自治体や観光事業者でなくても、インバウンド向けの需要分析やマーケティングは重要になってくるのではないでしょうか。

今日は、そんな観光の「お天気」を予報してくれるツールのお話。

観光予報プラットフォームって?

「地域の活性化」や「サービス事業者の生産性向上」を目指す自治体、観光協会、※DMO、企業向けに必要とされるデータを提供する、いわば「データ収集基地」のようなサービスです。

※DMO(Destination Management Organization:デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)とは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など、その地域にある観光資源に精通し、地域と協同して振興事業を行う法人のこと。

観光予報プラットフォームでは、「宿泊」を基軸にした観光関連のデータを取り扱っており、さまざまな形でアウトプットすることができます。

例えば、今後の宿泊者数の推移をグラフで表示したり…

その地域に流入している宿泊者がどこから来ているのかを視覚的に表示したり…

観光予報プラットフォームで出来ること

観光予報プラットフォームでは、「観光予報」「観光実績」「地域のポテンシャル」の3つのカテゴリーからデータを分析することが出来ます。

観光予報

市区町村ごとに6か月先までの宿泊動向を見ることができます。
各地域の過去の予約実績や現在の宿泊予約状況、予約が集中しやすいとの予測などの情報から「観光予報」が導き出されます。

効果が期待できる活用例

観光予報を利用することで、より効果的なイベントの実施スケジュールを立てることが出来ます。例えば、初開催のイベントなどは「観光予報」の高い時期に実施するなど、最適なプロモーションの遂行に役立ちます。

このように、混雑予想を天気予報のようなアイコンで確認することが出来る。

観光実績

観光実績では、「単純集計」「クロス分析」「ランキング」の3つの視点からデータ分析をすることが出来ます。

効果が期待できる活用例

他の地域と比較した相対的な分析によって、イベント実施計画の検討サポートに加え、ターゲットの優先度設定など、個別具体的な計画の策定に役立ちます。

1.単純集計

過去の宿泊実績データからさまざまな切り口で宿泊動向を観測することができます。各都道府県別の宿泊動向の分析や、各年のデータを対比させることで、イベント実施の具体的な計画づくりに役立ちます。

2.クロス分析

「都道府県」と「年齢層」などの複数条件でクロスさせたデータ分析によって、さまざまな切り口から効果的な施策の立案が可能になります。

3.ランキング

市区町村ごとの宿泊ランキングや、居住地域別の宿泊先(行先)ランキングの表示機能です。ランキングの活用によって、観光施策におけるターゲットの優先度を詳細に分析することができます。

地域のポテンシャル

地域のポテンシャルでは、観光スポット、飲食店、宿泊施設など当該地域における観光資源情報の参照、検索ができます。
また、一般的な観光情報に加え、地域独自のイベントや体験プログラム、漫画や映画の舞台といった旬の情報。
そして、免税店、フリーWi-Fi、外国カード対応ATMなど、訪日外国人のニーズに合わせたインバウンド向けの地域資源などを把握することができます。

分かりやすいアイコン表示で視覚的に情報を把握できる

ちなみに、「地域のポテンシャル」については会員登録なしで閲覧することが出来ます。

どうすれば使えるの?無料?

観光予報プラットフォームを利用するには会員登録が必要です。

また、会員種別としては無料会員と有料会員があり、有料会員になると「過去データ比較」や「クロス集計:複数」などの付加機能を使うことが出来ます。基本的な機能は無料会員でも十分に利用できますので、まずは無料で試してみるのが良いでしょう。

無料会員と有料会員の比較(機能制限項目のみ抜粋)

無料会員 有料会員
¥0 一般:¥10,000/月

地域:¥5,000/月

一般:¥15,000/月

地域:¥8,000/月

観光予報機能 データ表示
観光実績集計機能 過去データ比較
クロス集計:複数
レポート機能 定期配信レポート
地域選択 2地域 10地域まで選択可 10地域まで選択可

※システムは随時更新されるので、その都度機能や料金をご確認下さい。

2017年11月より、有料プランで利用できる内容が拡充されています。

登録方法

トップページから「会員登録」をクリック

入力フォームに「メールアドレス」を入力し、利用規約の同意にチェックを入れ、「送信する」をクリック。

登録メールアドレスに、会員登録用URLが送られてくるので、クリックしてアクセス。

各種情報を入力し、「会員登録する」をクリックすれば登録完了です。

ちなみに個人で使うこともできます。企業・団体名は空欄だと登録できませんので、自分の名前などを適宜入力して登録しましょう。

実際に「埼玉県川越市」を分析してみた

埼玉屈指の観光名所として知られ、蔵造りの商家などが立ち並ぶ埼玉県川越市。

最近では、インバウンド向けの観光事業も積極的に行っており、外国人観光客の増加が確認できる同市で、観光予報を使ってみました。

まずは宿泊者数の推移予測。

青いグラフは「予約状況」。オレンジのグラフは「予測値」を表しています。

これを見ると、予約状況のボリュームゾーンは「ゴールデンウィーク」で、他は大きな変動のない数値です。

オレンジのグラフ(予測値)を見ると、数値に厚みを感じるのはやはり「ゴールデンウィーク」と「夏休み」ですね。

夏休み期間の予約状況が少ないのは、まだ数ヶ月先のことだからというのもありますが、別の要因もありそうです。

例えば、川越に来る人はそもそも「日帰り」が多く「宿泊」が少ない。ゴールデンウィークは、多くの人達が短期間で集中的に全国各地の観光地を訪れますが、夏休み期間は割と幅があります。そうなると、割と近い関東圏に済んでいる人たちが川越を訪れる可能性が高くなります。ちょっと時間ができたから、明日はでかけてみようか…的な感覚ですね。

宿泊してガッツリと観光するような意識ではない。川越を訪れている人は目的が川越だけではない人も多くいるはず。であれば、宿泊地は別のところになるでしょう。

ちなみに、関東近県からの観光が多いというのは、「観光実績」の「単純集計」から推測することが出来ます。

川越市に訪れる観光客は関東近県で、しかも東京や埼玉が多いのです。

だから、ちょっとでかけてみよう的な感覚で選ばれることが多く、宿泊する人がそこまで多くないんですね。

では、川越市の「地域のポテンシャル」を見ると

こんな感じです。

「食べる」が3件、「漫画・アニメ(聖地巡礼)」が0件というところを見ると、登録情報がまだまだ発展途上ということがわかります。

当然ですが、飲食店はたくさんありますし、川越は「神様はじめました」「月がきれい」など、アニメ・漫画の舞台になっていることでも有名です。

これから、さまざまな情報が充実していくと良いですね。


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