会社を辞める前に必ず確認するべきポイント7つ。保証された身分を捨ててリスクを受容するということの意味。




こんにちは、トキタマです。

年度替わりの季節がやってきました。

出会いと別れの象徴となっている日本の「春」

皆さんの周りにも3月末に今年度限りで会社を辞めるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。

今日は会社を辞める前に必ず確認するべきポイントについてまとめました。

会社員を辞めることで失うものを理解する

当然ですが会社を辞めるということは、その会社の従業員ではなくなるということ。

そうなった場合に、一体自分は何を失うのか。

増える時間や、挑戦する機会など、得るものについて考えるのも良いですが、現実的な部分にも向き合う必要があります。

失うものは、言い換えれば会社員であることのメリットでもあります。しっかりと向き合って考えましょう。

以下に、会社員でなくなることで失うものの例を挙げました。順番に見ていきます。

①保証された給与

労働の対価なので当然とも言えますが、生きていく上で重要な要素です。何しろ会社員であれば毎月決まった日付にお金をもらうことが出来る。これは大きいです。

②社会保険への加入(健康保険、厚生年金保険)と補償

会社員の場合、労使折半という形で社会保険料の半分を事業主が負担しています。これは正社員であることの最大のメリットとも言っていいでしょう。会社員でなくなり、個人事業主や無職、フリーターとなると「国民健康保険」「国民年金」に加入することとなりますが保険料は全額自己負担です。また、老後に受給できる老齢給付の部分は会社員であるほうが圧倒的に給付総額が多くなります。

国民健康保険の保険料(国民健康保険税)は原則として支払い免除はありませんので、しばらく働く気の無い方などは気をつけておいた方が良いでしょう。国民年金については、失業している場合は免除申請をすることが出来ます。

③労働保険(雇用保険・労災保険)による補償

「被雇用者」という身分であれば、例外を除き雇用保険と労災保険に加入することが出来ます。雇用保険は、会社を辞めることで失業給付を受けることが出来るので、退職によって全てがデメリットになるわけではありませんが、被保険者でなくなると休業補償や育児休業給付などは受けられなくなります。

また、仕事中のケガを補償する労災保険も会社をやめることで被保険者でなくなるため、個人で事業を行う際は仕事中の怪我であっても労災給付はありません(代わりになるような保険はありますのでよく調べることが大事です)。

④会社独自の福利厚生制度を利用する権利

これは所属している企業・団体によってことなるので一概には言えませんが、退職すれば当然ながら厚生施設や制度の利用はできなくなります。

⑤源泉徴収、年末調整による所得税の計算

会社員でなくなると同時に源泉徴収というものがなくなりますから、次に就職する先が決まっていなければ、所得税を自分で計算する必要があります。

⑥所得税、住民税の納付手続き

所得税と住民税の給料天引きがなくなります。所得税は3月15日までの確定申告で額を自分で計算し納付する必要があります。また、住民税は会社員の場合「特別徴収」という形で会社が代わりに自治体へ納付していましたが、会社を辞めると「普通徴収」に切り替わるため、自分で納付しなければなりません。

因みに、退職時に会社で手続きをすることで、最後の給料から残りの分の住民税をまとめて天引きしてもらうことも出来ます。住民税はどちらにしても払わなければならないものなので、このタイミングで払ってしまうことをオススメします。

【ポイント】住民税は退職時にまとめて天引きできる
私は退職時に残りの住民税をまとめて給料から天引きしてもらったので最後の給料は5万円ほどになってしまいましたが、今考えてもやって貰っておいてよかったなと思っています。

ただでさえ収入がなくなるので、数ヶ月ごとに数万円ずつ自分で払うというのは精神衛生上良くありませんし、なにより時間の無駄です。退職予定の方は会計担当者に申し出て、手続きしてもらいましょう。

 

⑦その組織の構成員であるというブランド

会社員であるという事実は、社会を生きる上でとても大事なステータスです。仕事を辞めることによって失うものの中でも、かなり大きい存在なのがこれです。

わかりやすい例で言えば、クレジットカードやローンの審査が通りづらくなります。

毎月安定した収入が保証された身分を捨てるということは社会的に認められる単純な指標を失うということでもあります。このあたりは後悔の種にもなりやすい部分なので、よく考えた方が良いでしょう。

特に人の目が気になりやすいタイプの方は、この要素がかなり重要になってきます。

地元の友達や親戚に合わせる顔がない…。そういった理由で再び組織に戻る方は少なくありません。

正直、他人の評価を気にして自分の進むべき道を決めてしまうのは、すごくもったいないと思います。ただ、正確にも近い考え方を変えるのは、難しいのも事実。実際に辞めた後の事をしっかりとシュミレーションして後悔の無い選択を。

まとめ 冷静な判断ができるときに見極めるコト

退職を考え、それを実際に行動へ移すとき、どういった思考が先行するでしょうか。

「転職」「独立開業」「なんとなく」「療養」「劣悪な労働環境」などなど。会社を辞める理由は多々あるはず。

「転職」や「独立開業」など退職する理由が明確な場合であれば、スケジュールを決めて退職の手続きを遅滞なく進めていけば良いのですが、やっかいなのは「なんとなく」や「嫌になったから」というような理由です。また、「パワハラ」や「過剰労働」など、自分のためにも早急に辞める必要がある場合も同様です。

こういった場合は「とりあえず仕事を辞める」という思考が先行しがちで、辞めた後でデメリットや障害に気づくという方も多数いらっしゃいます。

考えを行動に移すというのは大事なこと。しかし、今の自分の立場を見極め、何を得て何を失うのかといったリスクマネジメントもそれと同じくらい重要です。人間は基本的に精神的に追い込まれると冷静に判断する力が低下します。収入があり、身分が保証されている内に考えられることはしっかりと考えておくことをオススメします。

予期せぬマイナス局面よりも、予期していたマイナス局面への対応のほうが影響を最小限に抑えられるということです。

何も考えず、とにかく辞めてしまいましょう!

と私が言い放つのはカンタンなことです。何しろ、その発言に対して何ら責任を負う必要がありません。

ですが、結局誰にどんなアドバイスを貰おうと、決めるのは自分、責任を負うのも自分です。

大事なのは、自分のした意思決定を後悔しないこと。

失敗はしても大丈夫です。何度失敗しようとも改善してやり直していけば良いのですから。

一方、タラレバの後悔は不毛です。後悔するくらいなら事前にしっかりとマイナスの結果を予測しておいたほうがマシ。

やりたいことと、今の環境を捨てて失うもの、それらを見極めた上での判断が下せれば、後悔することも少ないはず。

おかげで私は、今の所後悔はしていません(失敗したかどうかはまだわかりませんが…)。


スポンサードリンク


スポンサードリンク