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参考書から読むか、過去問から手を付けるか
資格試験においては、参考書から目を通していくか、過去問から手を付けるかという問題が常につきまといます。
確かに、馴染みのない人にとって「参考書を読む前から過去問に手を付ける」というやり方はなんとなくモヤモヤするかも知れませんが、実際のところこの方法は実に効率的です。
基本的に資格試験というものは、大幅な改変がない限りは過去の出題形式を踏襲した問題で知識が問われます。
全く同じ問題文で出題されることだってあるんです。
当然、テキストに書いてある情報を漏らすことなく覚えられるのであればそれが最善でしょう。
ですが、異能力とも言えるような記憶力でもない限りテキストを隅から隅まで覚えることは不可能ですよね?
だからこそ、過去問で出題の傾向を掴むことこそが合格への近道であり、効率的な勉強方法なのです。
>オンライン学習でFP技能士に最短合格するFP技能士3級と簿記3級の難易度について
ネット上では、日商簿記3級とファイナンシャルプランナー3級はどっちが難しい?というような書き込みをよく目にします。
結局は主観なのですが、個人的な見解を述べさせていただくと比較するまでもないくらい簿記3級の難易度のほうが高いと思います。
このように書いてしまうと、簿記3級がゲキムズ試験みたいになりますが、そういうことではありません。
単純に簿記3級とファイナンシャルプランナー3級を比較した場合の話です。
そもそもFP技能士の試験で問われる内容はFP試験の勉強をしていなくても知っているようなことが多く含まれていますが、簿記に関しては「簿記の勉強」をしないとわからないような事柄が多く出てきます。
こういったことからも、この2つの資格の難易度を比べるのはあまり意味がないとも言えますね。
分厚いテキストに怯む必要はない
資格試験の参考書は、その試験のレベルがさほど高くなくても割と分厚いものが多いのですが、これら全てを覚える必要はありません。
そういう人はもったいないです。多分真面目すぎるのではないでしょうか。
資格勉強用のテキストが分厚いのは、「そもそも問題として出題されない」「分野の学習工程上省略することができない」など実際の試験では問われない知識も含まれているからです。
完璧に覚えておくべきところと、とりあえず知っていれば事足りるところを見極めることが重要になります。
そしてそれは、過去問を反復して解くことで磨かれていくのです。
テキストに書いてあること全てを問うわけではない=つまり、全部覚える必要はない
- 基本的には過去問の出題傾向が8割→残りの2割は新出問題
- 合格基準は6割(満点をとる必要はない)
- 新しい問題も出るが、得点源を抑えておけば4割外すことはまず無い
- 問題は択一式(○☓の二択か三択)→適当に選んでも正解する確率は33%〜50%ある
再度申し上げますが、私は参考書から読むよりも過去問(とりあえず1回分解いてみる程度)からやったほうが効率的だと思っており、資格試験のオススメ勉強術としても推奨しています。
しかし、ここで気をつけなければならない点があります。
それは「過去問至上主義になってはいけない」ということ。
確かに、合格を目的とする試験勉強において、過去問を使ったトレーニングは効果テキメン僕ツケメンです。
ですが、過去問をやっていればとりあえず合格できるだろうという思考になってしまうと、肝心の知識が入ってきません。
いや、入っているのであれば問題はないんです。
ただ、合格したけど知識としては全く実用に足りない…では悲しすぎますよね。
もちろん、合格することで手に入る「資格」にはそれなりに価値があります。
しかし、本来得るべきものは「資格」という証明書ではなく、試験勉強によって習得する「知識」の方です。
それを忘れずに試験勉強に臨み、結果合格できれば言うことはありません。
是非「資格」も「知識」も手に入れて、有意義な資格勉強ライフを。
勉強方法に決まった形は無い。ただセオリーはある。
さて、能書きはこの辺でお開きとしまして…。
ここからは、FP技能士3級に合格するために必要なファーストステップについてお話します。
これは、FP技能士3級を受験するすべての人にオススメできる手法です。
しかし、カンタンとは言え範囲が広いので勉強しなければわからない分野もあるのは確かです。
つまり、合格するのに必要な勉強時間を導き出すには、ITパスポート試験と同様に「既存の知識がどれだけあるか」というのがかなり重要になってきます。
特にFP技能士3級で出題される範囲は、就いている仕事(職種)によっては知っていて当然の知識であるところが多々あります。
例えば、社会保険の部分であれば総務や会計などで労務管理に携わっていれば、雇用保険や労災保険などの知識が身についているでしょうし、不動産業界で仕事をしているのであれば、不動産の分野に関する基礎知識は大体習得済みでしょう。
また、単純に社会経験が長ければ知っていてもおかしくない部分も多いです。
各種保険(生命、自賠責)や相続などは、学生であれば知らないことも多いでしょうが、ある程度年齢を重ねていれば実際に自分が経験するというシーンも当然に出てきます。
学生よりも社会人のほうが合格しやすいと言われることがありますが、それはこういった側面があるからです。
だからこそ、ネット上に流布されている「誰でも簡単に」「1ヶ月で」「1週間で」「ノー勉で」などという言葉に振り回されないでください。
ウソではないと思いますが、誰にでも当てはまるわけではありません。
合格までに必要な勉強時間は、受験者によって異なるということです。
合格への最短ルートは「過去問」で実力測定をすること
FP技能士3級を受験するにあたり、最初にやっておくべきことは1つ。
では、それをどうやって把握するのか。
これは予備知識があろうがなかろうが関係ありません。
自信がある人も自信がない人も、まずは過去問を1回分(最新のものが望ましい)解いてみてください。
FP技能士3級の過去問データはこちらから確認できます
- 大事なのは良い点を取ることではない
- 実際の問題に触れ、試験のイメージをする
- 現状自分が持っている知識の量を確認する
ちなみにここで解くのは学科だけで大丈夫です。実技は一旦置いておきましょう。
また、本試験の学科は制限時間が120分ですが、ここでは60分で解いてください。
60分で解く理由は以下のとおりです。
- 120分集中するのは疲れる(学科試験に対するマイナスイメージをつけたくない)
- 考えてもわからないものは飛ばせば良いので120分も要らない
- 知識として入っていないものは時間をかけて考えても出てくるものではない
- 問題と60分も対峙すれば、実力が大体わかる
テキストを使った勉強よりも先に過去問を解くべき理由
- 問題のイメージが無いままテキストでの勉強を始めると、ただの暗記になる
- 実践(過去問)のイメージを多少なりとも入れておくことで、新しい知識と引き出し方がリンクする
- 過去問は全分野まんべんなく出題されるので、現状で苦手な分野をあぶり出すことができる
- 後に再挑戦することで成長具合がわかる
いえいえ。
「わからない」ことをマイナスに捉える必要はありません。
過去問を最初に解くのは、それ(わからないところ)をあぶり出すための手法でしかありません。
得点はどうでもいいんです。
極端に言えば解答だけ確認できれば、採点する必要すらありません。
ただし、出来が良かった人は是非採点まで行ってください。
9割くらい取れていれば、勉強せずに合格できる可能性が十分にあります(その場合は別の過去問をあと2回分解いて、それでも9割取れるかどうかやってみてください)。
余裕があれば読んでおきたい本(最強の効率的な勉強法)
どちらか一方で構いません。資格試験対策として効果抜群の内容が書いてあります。